表題作はジブリの作品であらすじだけは知っていましたが、原作を読んで面食らいました。ほとんど事実の羅列のような短編です。その他の収録作品もそんな感じ。こちらの感情移入を拒むように、勝手に進められていく話。それなのに、その中に不思議なリズムというか、何か独特の異様な雰囲気があって引き込まれます。内容よりも文体のほうに私は惹かれました。この本の中には、あの節子ちゃんはいません、変わりに怪物のような文章がうねりくねってます。
悲しいお話おすすめ度
★★★★★
私は火垂るの墓だけしか読んでません。火垂るの墓は、作者の野坂昭如氏が実体験をもとにして書いた作品です。実際、妹には清太のように優しく接しなかったそうです。
私は映画を先に見ていたので、映像を思い出しながら読みました。
戦争がもたらす悲劇とは?現在も世界のどこかでは人々が争い同じような悲劇が絶えません。国内では、戦争経験者がだんだんと減ってきています。二度と同じ過ちを繰り返さないために、本書を語り継いでいく必要があるのではないでしょうか。
短い小説なのですぐに読めます。
表題作は短いが傑作おすすめ度
★★★★★
アニメを観て表題作を二度読んだd。これから何度も読むことだろう。ばかげた戦争がなければ死ぬこともなかった節ちゃん。一家そろって生きていればどんなに幸せを享受できたことだろう。読めば野坂氏独特の文体、私は京都弁で育ちましたが神戸弁との微妙な違いがよくわかる。ああ、しかし近代日本において何故4歳で栄養失調死しなければならないのか? 日本は第3世界だったか? もう二度と起こすまいばかげた戦争。大人が起こす戦争で犠牲になるのはいつの時代も若者子ども。虎は死して皮を残す。野坂氏はこの一作で小説家として後世にに残る。節ちゃん、天国で白いごはんをお腹いっぱい食べてください。
Film vs Booksおすすめ度
★★★★☆
作品を手にするとき本から入ることが多いのですが、「火垂るの墓」にかんしては逆でした。以前何度かアニメーションで見たことがあるこの作品の文庫本をある人にすすめられ読み始めました。
映像から先に入ってしまうと、自分の(ある意味)無限にある想像の世界に蓋をされてしまう気がすることが多いのですが、この作品に関してはあまり違和感はありませんでした。映像としての作品にはその良さがあり、本にもそれ独自の良さがあったように感じます。文字を目で追うだけではなく思わず朗読してしまうような。そして、声に出して読んでみると更に引き込まれ、息苦しさ、重たい空気、ほっとする瞬間、笑顔から涙、それらを自然と感じられたように思います。
坦々とでも悲しく
おすすめ度 ★★★★☆
終戦直前の兄妹の様子を坦々とでもこれ以上無い位に悲しく
読ませてくれます。
アニメとは違う雰囲気ですがそれも魅力的です。