家族の愛、人々の愛・・・おすすめ度
★★★★★
カーリーは事故で亡くなったリックとの間に子供をもうけていた。大富豪
であるリックの両親は金銭と引き換えに自分たちの孫である赤ん坊のクリス
を渡すように迫ったが、カーリーは譲らず、クリスと共に行方をくらましたのだった。
それから6年後リックの友人で私立探偵のジェイクがようやく二人を見つけ
出した。彼はリックの両親がカーリーとクリスの消息を依頼していた
大手探偵会社から独立し、自分の会社を持っていた。そのため、好奇心は
あったものの依頼をされていたわけでもないので、親元には知らせず、
徐々にカーリーに近付いていった。
カーリーは食堂で働きながらも、絵を描き生計をたてていた。ジェイクは
自分が探偵であることを隠したまま彼女と付き合うようになるが、ジェイクの
元同僚がジェイクに尾行を付け、カーリーとクリスの居場所を突き止めてしまった。
興味深くハラハラする展開なので、一気に読んでしまいました。ここに描かれている愛はカーリーとクリス、カーリーとジェイクのみならず、
カーリーの周りの人物たちさえも、シングルマザーであるカーリーの強い
見方です。
それぞれに苦い思いでもあり、随所に回想が盛り込まれていて、飽きがきません。とくに6歳になったクリスの回想は心和む部分でもあります。