人間イエスを初めて描いた作品おすすめ度
★★★★☆
西欧社会にはイエスの描き方にはタブーがあって、神としてのイエス以外の描き方はご法度で、公開時に大変な物議を起こした作品です。公開時にフランスの映画館では死亡者まで出てしまいました。
本作では、イエスの人間としての姿を描き、特に妻がいたという内容で宗教関係から圧力と受けたとの報道が流れました。イエスの妻というテーマは、昔からあるのですが、やっぱり受け入れられない物で
しょうね。クリスチャンでない私には理解できない部分もあります。
ですから、スコセッシの覚悟と勇気には頭が下がります。
クリスチャンでない人にも受けいれやすいイエス像であり、親近感が持てました。歴史的な作品だと思います。
人間イエスおすすめ度
★★★☆☆
カトリック信者にとって、大問題な内容の作品。人間としてのイエス=キリストが描かれています。見た方は、イエスに対して親近感がもてたのではないでしょうか。
内容に関しては、これ以上自分の意見は言わないことにして、イエスを演じたウィレム・デフォーと、ユダを演じたハーベイ・カイテルの演技が素晴らしかったと思います。目を覆いたくなるシーンもありますが、まさに迫真の演技だったと思います。
今年、『ダヴィンチ・コード』にはまった方、『パッション』を見た方にはお勧めですが、キリスト教の話なので、興味のない方はやめたほうがいいでしょう。とりあえず、レンタルがお勧めです。
DVDは、映像特典なし。この点からもレンタルで十分でしょう。
時代を先取りした作品
おすすめ度 ★★★★★
「イエスとマグダラのマリアは結婚していた!?」(by ダ・ヴィンチ・コード)
「ユダの裏切りはイエスの指示によるもの。つまりユダとイエスは共犯!?」(by ユダの福音書)
とまあ、昨今世間を騒がせている話題が、既にこの作品のモチーフとなっている。言わば時代を先取りした作品なのである。
正統派のキリスト教徒なら、これら全てを「グノーシス派の陰謀」で片付けるところかも知れないが、私には興味深かった。
映像と音楽も素晴らしい。全体に何とも不思議な雰囲気が漂う。
ウィレム・デフォーが演ずるイエスは、最初それらしくないなあと思ったが、どんどんキリストらしく見えてくるのが面白い。
多くの人が既に指摘している事だが、この作品でのイエスとユダの関係は、かなりはっきり同性愛的なものとして描かれている。
まるでヤクザかチンピラみたいにガラが悪い(失礼)、ハーヴェイ・カイテルのユダが妙に新鮮だった。