基本的には「ノーフューチャー」のほうをおすすめするが・・・ おすすめ度 ★★★★★
ピストルズ関係の映像作品としてはノーフューチャーの方が格段に優れている。
79年のこの作品はバカバカしくポップに創り込まれてはいるのだが、金をかけている割にどこか映像が薄汚い。
なによりマルコム関連のパートが多い。
ファンならば心底ムカつく事だろう。
ただ、シドが格好つけてベースを振り回す横でノーファンを歌うジョン・ライドンの絶望的な表情。
「騙されているのはどんな気分だ」という言葉の破壊力には、☆5つの価値は充分にある。
馬鹿馬鹿しいコントのような映像やアニメーション、自己顕示欲丸出しのマルコムの発言の埋もれるようにあるからこそ、それだけの衝撃を持ちえたのかもしれない。
有名なシドのマイウェイ他、シドファンは必見。
けなすような事も書いたが、テンポや音楽も良く退屈はしない。
曲がパンク風なだけでポジティブな歌詞をのせた今風のバンドは全く受け付けられない人、
そんな人はこの映像のもつ絶望感のほうが共感できる事もあると思う。
パンクの本質をつかんでいる作品。
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