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レディ・ジョーカー〈下〉

高村 薫
おすすめ度:★★★★★
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塗り盛られた油絵のような、、、
おすすめ度 ★★★★★

「マークスの山」・「照柿」・「レディ・ジョーカー」と、合田刑事3作品を並べて気づくことがあります。描く世界の種類が増えているのです。「マークスの山」では刑事。「照柿」では刑事の世界のなかの不協音が増えて描き方が徹底され、それに工場労働の世界が加わったことで描く世界が二つに増えました。「レディ・ジョーカー」では、犯罪者たち・刑事世界・企業世界にくわえ、ジャーナリズムが加わりました。つぎは政治家か?と思いきや、5重テーマではさすがに分解するのか、「新リア王」で禅との二重テーマになりました(彰之という同音の名前・母の不倫で生まれたという背景からも中上健次への意識を強く感じます。そのせいか、榮の世界に比べて彰之の世界が借り物のようにどうしても感じてしまいます)。次作ではどの世界を見せてくれるのか、どの世界の匂いを嗅がせてくれるのか。ゴッホの絵の具のように盛り上がらんばかりに文字を重ねて、狂気寸前の理性を追求し続ける貪欲さに、満腔の拍手を送ります。



傑作ゆえの、最悪の読後感
おすすめ度 ★★★★★

高村薫の本を読むときは、腰を据え、物語に没頭する覚悟で臨まなくてはならない。
深く暗い絶望感を持った人間達には、雑念を振り払って対峙しなくてはならない。

本書では警察官、大企業の重役、犯罪グループ、闇社会等、極めて個性的な人物達が登場する。
結末に向かう過程で悪夢は繰り返される。まさに絶望そのものだ。
これほど吐き気を感じる読後感は、後にも先にも経験がない。

とはいえ本書は傑作である。登場人物達の事件を巡る攻防は読み応え十分だ。
嫌悪感を与えながらも、ここにはリアルな人間が包み隠すことなく描かれている。ただ合田雄一郎はやさしく成り過ぎたか。

僕らは生きていく中で、好むと好まざるとに関わらず、社会的立場というものを得てしまう。
さらにその背負った立場ゆえの葛藤、呪縛にもがき苦しむ。その姿こそ本書の最大の魅力だと思う。

本書の題材が、1984年に世間を賑わせたグリコ・森永事件であることは明らかだ。この事件にまつわる様々な説が、物語りの中にちりばめられている。「日本はどうなってしまうのか」の一文は、絶望感に対する著者の強いメッセージである。本書はミステリー・社会派作家としての、著者の最高傑作である。


組織の中で生きる人間がどうなるか?
おすすめ度 ★★★★★

企業に勤めたことのある人間、
会社のしがらみを知っている人間であれば、
共感しながら、読める本です。

それでいて、企業という組織から離れれば、
人間っていうのは、本当はこうなんだよなぁ、
と思わされるストーリーです。

誰が正しいとか、誰が間違っているとか、
という視点でなく、人間が組織で生きていったときに
見えてくる弱点を読んでいくような本だと思います。

そして、人生も考えます。


高村薫の素晴らしさ
おすすめ度 ★★★★☆

上下2巻のこの本、かなり読み応えがあると思います。社会問題系ミステリーと言った感じでしょうか。社会の醜い部分を細部に渡って描いてあります。多少業界用語や難しい言葉もありますが・・読破の価値大の本です。



LJ原作本が読み難いという映画鑑賞者の為に
おすすめ度 ★★★★★

LJの入門書いうか雛型習作として高村薫「日吉町クラブ」(誇りたかき掟・角川ノベルズ収録)を推薦するよ。

①人生の酸いも甘いもわきまえた男たちが、府中競馬場にたまたま集い
互いに共通の憤懣や屈託を認識し、共有しあう。
②この憤懣を何かに転換できないか→犯罪につかえないかと犯意を抱く
(※ この「犯罪動機」を説明するのが高村作品解説の最大のネック。
ま、読めば何となく情緒でわかるのだが・・・)
③府中競馬場につどう男たちと、誘拐対象である会社社長は相互の鑑無しを確認
(※ 警察の犯罪捜査は、地縁血縁知人の鑑捜査から始まる。
つまり相互の面識無ければ、警察は犯罪現場と犯人を結び付けられず完全犯罪となる)
④じゃ、誘拐犯罪をやろうかとなる
⑤読者は、犯人たちの虚無感に、ダンディズムなりヒロイズムを感じて酔うべし

LJはこの犯人たちを中心に、戦後日本という壮大な地獄巡りを読者に仕掛ける作者畢生の大作。

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