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サム・ペキンパー
おすすめ度:★★★★★
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スティーブ・マックィーンがかっこいい
おすすめ度 ★★★☆☆

本作は、強い愛情で結ばれた二人の逃避行を描くものです。
獄中でも妻の面影がちらついて集中できないドク(スティーブ・マックィーン)、
夫に会うためなら自分を犠牲にすることも厭わないキャロル(アリ・マッグロー)。
ついに再会した二人は、しかし、ドクの仲間のしくじりとキャロルの激情が災いして、
大金を持ってのメキシコへの逃避行を余儀なくされる…。

本作は、二人の絆に着目しており、そもそも、倫理観も何もあったものではないです。
ちょくちょく登場する、バイオレンスを傍観する子供たちの姿が印象的です。
また、お嬢さんといった風情のキャロルがなぜドクに加担してあれこれするのか、
背景の説明などがまったくなく、始めは別の作品の続編なのかと思ってしまいました。

さて、本作は二人の愛以外の世界はいい加減に描かれているようにも感じられますが、
ある意味最大のピンチであるゴミ収集車〜埋立地?の場面が素敵です。
そこでは、険悪な雰囲気が一転、再び強く結ばれていく様子が描かれています。

私には、「確かに世間の基準から見れば二人はゴミみたいにしょうもない存在だろ、
でも、何か憎めないだろ」、という監督のメッセージが込められているように思えました。
ちなみに、追っ手のルディーと人妻の凸凹カップルも、
主人公の二人を際立たせる引き立て役なのかな、と思います。



ペキンパー+ヒル+マックィーン
おすすめ度 ★★★★☆

サム・ペキンパーといえば、血しぶきドバーッのバイオレンスアクションが有名だが、撃たれ役の死に方にやたらリアリティがあることに本作品を見て気がついた。ドク(ステーブ・マックィーン)がショットガンを向けると、不意を衝かれた悪党どもは手で身を隠すような仕種をする。そして到底ありえないあがり方をする血しぶきを独特のスローモーションで丁寧に撮影するのだ。この絵をみただけでペキンパーだとわかる銃撃シーンは、この映画のラストに登場する。

ウォルター・ヒルの脚本もなかなかいい。バイオレンスの裏側で壊れかけた夫婦仲の再生というテーマがしっかり伝えられている。まるで一国堂の腹話術を見ているような妻のキャロル(『ある愛の詩』のアリ・マッグロー)が不義を働くシーン(単なる音ズレか?)、銀行強盗計画の核心部分を説明するときにちょうど船が橋の下をくぐるようにした演出、銀行の下見にきたドクに窓口係が「またきてくださいね」と気の利いた言葉(?)をかけるシーンなど。細かい所にも気が行き届いた映画を見ていると、高級ホテルに泊まっているようないい気分になる。

『大脱走』『GETAWAY』『パピヨン』。自分の中ではひそかにマックィーン脱走三部作と呼んでいる。既成概念には縛られないアウトロー的ヒーロを演じさせたら、この人の右に出る俳優はあまりいないだろう。金髪碧眼の男優は、マックィーンといいブラピといい、なぜか反骨系の役柄が似合っている。




ペキンパーファンとしては
おすすめ度 ★★★☆☆

脇をかためるキャラクター達が魅力的だ。
アル・レッティエリが強烈な存在感で演じる、主人公を追い続ける強盗仲間のルディ。
彼の追跡劇に振り回される気弱な獣医と、その低脳で淫乱な妻。
鞄泥棒の間抜けな男もいいし、組織の男達の猥雑な風貌も魅力的だ。

それらキャラクターがからみあい、追跡劇が展開していくウォルター・ヒルの脚本もおもしろい。

ホテルの銃撃戦のバイオレンス描写の素晴らしさは相変わらずだ。

が、それでもこの映画に得心がいかないのは、主人公夫婦がにっこり微笑みあって地平線の彼方へ消えていくラストシーン。
正義のない状況のなかでの、犯罪者同士及び主人公夫婦のスリリングなやりとりと、それが最終的に無慈悲で圧倒的な暴力として発露していく緊張感を描いてきたこの映画が、あんな“のほほん”と終わってよいものだろうか?(確かに、全編をとおしても、主人公夫婦の精神的やりとりに限っていえば充分な緊張感をもって描けていたとは思われないが)
そこにクインシー・ジョーンズの腑抜けた音楽がかぶさっくるものだから余計にイライラさせられた。

もし単純にマックイーンのクライム・アクション・ヒーローものをつくるのであれば、他にもっと適任な監督もいたのではないかとも思うし、
ペキンパーファンの私としては何か中途半端な気分で、決して満足いく作品とは言いがたい。





きれいになった画面
おすすめ度 ★★★★★

DRMでおっそろしく画面がきれいになった。サム・ペキンパー不朽のバイオレンスの名作。黒いスーツ姿のステーブ・マックィーンがカッコいいー。拳銃に布を巻いて発射したアト、布が燃え出すリアルさ。オープンカーでわるモンがやって来るときの怖さ(オープンカーなのに帽子をかぶっている)。メキシコへ向かう道の土ボコリとトラックのオンボロ感。アリー・マッグローも必死で逃亡する夫の妻役にピッタリ。ペラペラの薄着で、着たきり感がたまりません。


概要
銀行強盗のマッコイは仲違いからボスを殺してしまい、組織から終われるハメに陥る。彼が妻とともにメキシコに向かって逃げて逃げて逃げまくる姿を描いたバイオレンスアクション。この手の映画では右に出る物がいないといっては過言ではないサム・ペキンパー監督が本領発揮。追われる夫婦スティーブ・マックイーン&アリ・マッグローをこれでもかと窮地に追い詰めるアクションは、手に汗握ること必至。ラストの銃撃戦は鼓膜を突き破らんばかりの乱射で、これぞペキンパー映画だ!とアクション映画ファンは小躍りしたくなってしまうかも。全盛期のマックイーンのワイルドな魅力もたっぷり楽しめる。(斎藤 香)

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