あっさり軽いが優しい物語 おすすめ度 ★★★★★
長州の密偵として働く画家志望の男の話です。普段は町人として生活しているため、幕末の政治や戦乱からは一歩退いた視点で物語は進んでいきます。その分軽めの仕上がりになっていて、読みやすいです。ただし、かなり展開が早いので、幕末知識はある程度あったほうが入り込めると思います。
密偵生活のなかでの危機や出会い、別れ、そして明治維新。戦乱を駆け回る桂小五郎や高杉晋作、薩摩の中村半次郎などを見送りながら、物語はエピローグへ繋がります。
幕末を裏で支えた主人公の胸の内を思うと涙が滲むよい作品。
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