協調というより侵食かおすすめ度
★★★☆☆
欲望(1966年):ロンドン:POPアート:ヤードバーズ=砂丘(1970年):カリフォルニア:サイケデリック:ピンク・フロイド。ミケランジェロ・アントニオーニの手による2つの英語圏作品は、奇妙な符号の一致を見せている。『欲望』の中では、ストイックなまでの抽象的表現の中に、アントニオーニらしい深遠なメッセージの断片を感じ取ることができたが、はたしてこの『砂丘』においてはどうだろうか。
<ピンク・フロイドとのコラボレーション>というまがまがしいキャッチコピーが付けられた本作品は、『欲望』における完全に形骸化された<ヤードバーズ>の扱いとは異なり、アントニオーニ独特の世界観が<ピンク・フロイド>という個性に完全に侵食されてしまっている。まるで昔の<ピンク・フロイド>のミュージック・ビデオを見ているかのような陳腐なラストシーンが、アントニオーニ的な普遍性をないがしろにしているのは間違いない。撮影中、両者が反目し合ったという事実も大いにうなずける。
『猿の惑星』のロケ地として有名な<ザブリスキー・ポイント(原題)>における男女の絡みは、この映画の中で唯一アントニオーニらしいメッセージ性を感じる。「排除しなければ先へ進めないのか」資本主義に対する究極の命題を観客につきつけた後、まるで原始時代の類人猿のように砂まみれになってフリーSEXにふける若者たちを映し出す。学生運動の集団にも溶け込めず、かといって体制に尻尾をふることもできないマークは、まるでどこか別の惑星を思わせるこの<ザブリスキー・ポイント>を「自分に似ている」と恋人に語るのだった。
アントニオーニと英語圏おすすめ度
★★★★★
思ったより評判良くないので平均点上げます。
飛行機が飛ぶシーンなんか、普通のアメリカ映画ではありえない豊かさがあっていいと思うけどなぁ。
「欲望」「さすらいの二人」など、イタリア人のアントニオーニが英語圏で撮った映画は素晴らしい。
砂丘おすすめ度
★★★★★
素晴らしい映像とリズム。
主人公の青年と女性ヒッピーの自由なようでいて自由ではない、この時代特有の閉塞感。
物語は何も解決されていないけれど、想像力は無限の世界へと旅立つ。
ストーリーには、興味無し!ピンク・フロイドの演奏が全て!
おすすめ度 ★★★☆☆
この映画は、当時ピンク・フロイドファンだったので、見たのですが、ストーリーは「モア」よりも詰まらない内容で、フロイドのメンバー自身が「アントニオーニは、イモだ!」と言っていた、という事を立川直樹が書いていた記憶がある。
強烈な印象が残っているのは、冒頭のシーンに流れるニック・メイソンの叩くドラムによるリズムマシーンのような冷静なビートと、最後のカットとなる、別荘が爆発するスローモーションのシーンにかぶさる「51号の幻想」が、「ユージン斧に気をつけろ」に似て、段々と演奏が高潮してゆく部分が印象に残っている。他には、視るべき内容が無かった。フロイドファンは、アウトテイクも収録した2枚組CDを購入する事をお勧めします。
概要
一貫して「愛の不毛」を描き続けたイタリアの巨匠ミケランジェロ・アントニオーニ監督が、アメリカを舞台に撮り上げた異色作。学園紛争吹き荒れる1970年代初頭、大学内に突入してきた警官に発砲して逃亡中のマーク(マーク・フレチェット)は、仕事を捨てて放浪中のダリア(ダリア・フルブリン)と砂漠地帯で出会い、いつしか愛し始めるようになる…。
アントニオーニ作品の常で、ドラマそのものはさして重要ではなく、あくまでも映像による心象風景から、現代社会の病巣を巧みに描いていくという手法。広告が延々立ち並ぶハイウェイを車で走るシーンなど、その顕著な例といえよう。脚本には、劇作家兼俳優のサム・シェパードも参加している。(的田也寸志)