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すべてがFになる (バーズコミックススペシャル)

森 博嗣
おすすめ度:★★★★★
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「密室」の求道者
おすすめ度 ★★★★☆

有栖川有栖氏をして


 「あんなことがトリックに使えるとは。自分なら冗談にしかできなかった」


と、言わしめた森博嗣氏衝撃のデビュー作のコミカライズ作品。


「数字の中で7だけが孤独」であるという謎めいた仄めかしから始まり、
「すべてがFになる」というメッセージに向けて収束していくスマートな構成、
そこに低体温で、ややシニカルな犀川創平のキャラの魅力が相まって、
多くの読者を獲得しました。


その一方で、森氏の作品はともすると〈理系〉というレッテルや
「キャラ小説」としての側面ばかりが語られがちなのですが、
決して従来のミステリの文法が無視されているわけではありません。

本作から始まる〈S&M〉シリーズでは、あくまでトリックを中心とした
本格ミステリの体裁がとられ、テーマとしては一貫して〈密室〉が扱われています。


〈密室〉とは、いわば近代的自我の内面の表象であり、
ミステリでは、その特権的で不可侵であるべき空間が
犯人と探偵によって解体されていく様が描かれます。

森氏は、そこにバーチャル・リアリティの概念を導入することで、
肉体と精神の関係性や人間にとって「内」と「外」とは何かについて、
あくまでミステリの方法論に則った思考実験を積み重ねていくのです。



スタイリッシュな絵と理系ストーリィが上手く融合
おすすめ度 ★★★★☆

浅田寅ヲ作品は『QUIZ』が初めてでしたが、本作も非常〜に面白いです。

孤島のハイテク研究所で起こる連続殺人と、それに挑む(巻き込まれる?)犀川助教授と西野園萌絵!
企画モノなのか、森小説を全てコミック化するわけではなさそうですが、これは小説を読む前に手を付けるべき。
おかげで、森小説を読むとき、頭に浮かぶのはコミックキャラになります。



キャラクターに違和感が…でも、雰囲気はFです。
おすすめ度 ★★★☆☆

浅田寅ヲ先生の作品は面白いものが多くて好きなのですがやはり「すべてがFになる」
を漫画化するのは無理があると言うのが正直な感想です。それも一冊で完結させる
のは無理なようです。

個人的にはキャラクターが小説を読んだときに感じた印象と大分違っていたので、
その点が非常に違和感を感じました。特に犀川先生が…トレードマークである
「コーヒー」と「タバコ」をもう少し見せて欲しかったです。萌絵に関しても
もっとわがままな感じで登場させて欲しかったな…

とは言え、浅田先生の作品は「漫画だから分かり易い」という固定観念を真っ向
否定している感じがして大好きです。

個人的には「田島昭宇」先生にも「すべてがFになる」を書き下ろして欲しい!!
しかも、数冊かけて。絶対、面白い作品に仕上がると思うのですが。(笑)



小説を漫画にすると上手くはいかないというけれど・・・。
おすすめ度 ★★★★★

森博嗣と浅田寅ヲ、最高です。
森博嗣の世界観を壊すことなくきちんと浅田寅ヲ節が出ている。
浅田寅ヲのデジタルを駆使したあの独特の構図がとにかく良い!!!
第二弾の「冷たい密室・・・」もよいのですがこちらの作品の方をお進めします。
電脳系というかバーチャルなどが強い真賀田四季博士が登場する巻で再度漫画化してほしいです。



美事
おすすめ度 ★★★★★

好きな小説が漫画化する、と言うのはかなり複雑な気持ちだが、浅田寅ヲだというのはかなりのプラスポイントである。
「すべてがFになる」は、漫画にする必要の無い凄い本だ。読みたければ小説を読めばいい。視覚的な情報を絵にすると固定されてしまう。キャラクタのイメージだって個人個人で違う。つくづく漫画化なんてしなくて良い。
だがしかし、面白い。浅田寅ヲお美事。
私のイメージとぴったりだった、というわけではない。どちらかというと異なる方が多かった。イメージがどうとかじゃなしに、確かにここに「すべてがFになる」がある、という感触が感じられるから、美事なのである。浅田寅ヲが演出したFということ。同じだが別物、違うけど同一。小説ファンで漫画化したのはちょっと、と敬遠している方もとりあえず飲み込んでから考えてみると良いと思う。


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