ダイヤモンドを巡る流血の内乱を描く。これは正義に名を借りた人間の醜い争いの裏を人類に訴えかけた反戦映画である。主要な俳優たちの演技がそれを見事に見せてくれる。しかも戦争の背景にある資本主義の巧妙な仕掛けまで見せる。最後まで息もつけぬ面白さと人間愛の美しさが続く。アカデミー賞にノミネートされながら、受賞できなかったのは残念。ディカプリオは「タイタニック」よりはるかに魅力的だ。監督・カメラ・脚本のチームワークにも感動する。今年も猛暑だが、遠いシエラレオネに思いを馳せてこの映画を見るのはいかが。
テーマは重いが、表現は軽い?おすすめ度
★★★★☆
娯楽映画に形で、アフリカ問題を世界中の観客に示したいという作り手の意欲は買いたい。でも、話が調子良すぎて、見終わってしばらくたつと、日活アクションを大予算でリメイクしただけじゃん、みたいな感じもする。主人公に弾丸が当たらないお約束映画で、世界の真実が描けるんか?
私個人は見てよかったと後悔はしていないが、その理由の半分は、J・コネリーの美貌に負うところが多いかも。コネリーの役が男性だったら、偽善的に感じられたのでは、とも思う。
はまってるおすすめ度
★★★★★
ラストシーンはタイタニックのバリエーション第二幕ってかんじ
プリオじゃないとこれはできないと思う
熱すぎる役者だと涙を誘わないし
顔が完璧じゃないと一枚になれない
リアリティーの中に純粋さがあってしかも限りなく痛さを表現しないといけないから
話に違和感があっても視聴者に熾烈のイメージを与えている
監督もアメリカ映画として手を抜いてない
現実の「血のダイヤ」もっとひどい。
おすすめ度 ★★★★☆
監督E・ズィックは私のお気に入り監督の1人。今まで「戦火の勇気」「マーシャル・ロー」「ラスト・サムライ」など観たいと思った映画の監督をしてることが多い。社会派のテーマを上手に娯楽作に仕上げてます。
混沌とした現在のアフリカ。資源はあるものの自国だけではやっていけず先進国に翻弄されやがて内戦状態に。特に前半は凄絶でした。それと少年兵の育成の仕方。銃を手にした少年兵が何のためらいもなく大人達を銃殺していくのは観ていて怖かったです。それと闇ダイヤのためならなんでもやってしまうRUF。ディカプリオは今回は元傭兵で今は闇ダイヤのバイヤーという汚れ役を熱演。それとジャーナリスト役にJ・コネリー。「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」からだいぶ年月が経ってしまったが相変わらず綺麗。真実を探るジャーナリスト役を好演してます。D・フンスーもダイヤと息子のため奔走するがラストは興冷めの気もしますが、彼にも華を持たせてやらないと。
ここでも世界にばら撒かれたカラシニコフ銃が氾濫してました。「ロード・オブ・ウォー」と合わせて観るとより理解が深まります。
概要
タイトルの「血に染まったダイヤモンド」とは、アフリカで不法に採掘され、武器輸入などの資金源となるダイヤ。内戦が続くシエラレオネを舞台に、元傭兵でダイヤモンドを横流しするダニーと、RUF(反政府軍)に家族を奪われた漁師のソロモン、そして不法ダイヤの実態を明らかにしようとするジャーナリストのマディーが、壮絶な運命をたどる。
何よりも衝撃的なのは、アフリカの実状だ。RUFによる人民の虐殺や拷問めいた行動。エドワード・ズウィック監督は、躊躇なくショッキングな映像を積み重ねていく。とくに、RUFに捕らわれたソロモンの息子を始め、銃を手にした子どもたちの行動には目を覆うばかり。キャストはそろって好演だが、ディカプリオの熱演が光る。ソロモンが発見したというピンク・ダイヤモンドを狙って悪役の面も出しながら、アフリカの現実から逃れたい切実さまで醸し出し、クライマックスの彼の表情には涙を誘われる。
社会派の重いテーマを貫きながら、要所での派手なアクション、ほのかなラブストーリー、さらに人間同士の感動ドラマが無理なく絡み、娯楽作として見ごたえ満点なのは高く評価されるべき。(斉藤博昭)