島唯一の商店、早田商店の看板娘兼店主、早田沙和はゾンビになってしまった。ゾンビであることを妹のなつめに隠しておきたいと、第一発見者の斎田光哉(ソーダとサイダーか、成程。)と秘密を共有しながら、繰り広げられる清涼感あるラブコメ(?)である。
最後の4話で特に違和感を感じたのだが、内容的にクライマックスになる部分で、あえて4コマ基本のフォーマットに拘った理由は何だったのかのか。後半は動きのあるストーリーのコマ割りに切り替えて描いた方が、もっと感動的な結末になったのではないかと思うのである。
ベストオブ湖西作品!おすすめ度
★★★★★
ベストオブ湖西作品!
湖西さんファンの人もそうでない人も、読んで損はない必見の一作。
1冊の世界にすべてを綺麗に収め、感動のエンディングへとつなげた名作。
本当にすごく良いです。
1冊限りの短期完結作品としては既に『お湯屋へようこそ』という完成度の高いものを残している湖西さんですけれど、今回はそれを更に凌駕。
(片鱗はありましたが、丸々1冊)こんな話もかけるのか、とファンでも驚く新たな一面がみれます。
形式はすべて4コマ。
但し内容は伏線バリバリのストーリーもの。
最終回へむけて第1回目からきちんとレールが敷かれた4コマ漫画らしからぬ緻密さをはらんでいます。
中身もギャグを控えめにシリアスあり、ミステリありの多様性に富んだ作り。
というより、序盤にあるモノローグ
「このとき俺は浮かれていて、沙和さんが本当に秘密にしていたあのことに気づきもしなかった。後から思えば沙和さんは真実の欠片を口にしていたのに」
などにはギャグ漫画の世界からそうではない世界へと一瞬にして引き戻される力があり、ギャグ要素を抜くと4コマでありながら連ドラ並の感動ストーリーな作品。
形態が4コマ、キャラクターの絵柄もデフォルメということで一見するとそうは思えなくとも、その実、そこいらのドラマの平均点を優に越える物語が繰り広げられています(少し大袈裟でしょうか?)。
4コマ=ギャグという一般的な視点で読み始めると、思いもよらず感動させられてしまったり。
そして得意の下ネタも今回ばかりは相当押さえ気味ですが、そこに頼らずとも笑いが取れる良い仕上がりになってるかと思います。
オススメの1冊です。
ちなみに最終回は全体的に書き直しがされ、雑誌掲載時とは別のラストを迎えています。
尚、今回はあらすじはあえて書かないでおきます。
個人的に4コマでは必ずやっている登場人物紹介もしないでおきます。
まっさらの状態から読んでもらうのが一番だと思いますので。
湖西 晶氏のこのスタンスが好きだよ。おすすめ度
★★★★★
かみさまのいうとおり!でもそうだけど、この人の4コマは「ただおもしろいだけの4コマ」ではない。
ギャグの中に度々出てくる「心あたたまる展開」・「登場人物同士の支えあいや絆」が何より湖西 晶氏の4コマの魅力だと思う。
ギャグなしでも普通に良い話であるが、そこに笑いという緩衝要素を入れることでキャラクターへの感情移入がすんなりできる。また基本的に皆良い人であるため、読んでいてとても癒される。
とても完成度の高い作品で、買って良かったと心から思える作品である。
*ただ、「限定版」も出ていたとは知らなかった・・・。買っちゃうかな(笑)
違った世界
おすすめ度 ★★★★★
玩具にせずに、心が残ったらどうなるのか。
これはギャグマンガではありません。
話の続きがどうなるか判らない。
未来がどうなるかも判らない。
未来が見えないことに、涙が流れました。
良作です。